自動販売機(じどうはんばいき)とは商品又は金券の授受とその代金支払いおよび釣り銭の受け取りにおいて対面販売でなく機械を相手とし、顧客自身が機械に対して決済し、直接商品を受け取るために使用される機械のことである。自販機(じはんき)とも略される。乗車券や食券などの券の販売機の場合は(自動)券売機とも言われる。
日本全国の自動販売機台数は2007年末現在で540万5300台(うち48.8パーセントが飲料販売用。日本自動販売機工業会の調査)である。(とくに屋外の)設置数の多さや販売商品の多様さで世界的に群を抜いており、海外の関係者からも注目を集めている。
目次 [非表示]
1 歴史
2 概要
2.1 物品自動販売機
2.2 自動サービス機
3 形態と品目
3.1 物品等自動販売機
3.2 サービス情報自動販売機
4 珍しい自動販売機
5 再利用
6 販売制限・設置制限
7 決済方法
8 問題点
9 構造
9.1 商品が落下する構造の物
9.1.1 缶・ペットボトル飲料自動販売機
9.1.2 瓶飲料自動販売機
9.2 商品を引き出す構造の物
9.2.1 瓶飲料自動販売機
9.3 扉を開けて商品を引き出す構造の物
9.3.1 円盤に商品が乗っている物
9.3.2 コインロッカー型の物
10 自動販売機と犯罪
11 多機能化
11.1 災害時対応
11.2 無線LANアクセスポイント
12 脚注
13 参考文献
14 関連項目
15 外部リンク
[編集] 歴史
最初の自動販売機といわれているのは紀元前215年頃、古代エジプトの神殿に置かれた聖水(いけにえの水)の自販装置である。てこの原理を応用し、投入された5ドラクマ硬貨の重みで内部の受け皿が傾き、その傾きが元に戻るまで弁が開いて蛇口から水が出る。これの記述図解はアレクサンドリアのヘロン著『気体装置(Pneumatika)』にあるが、だれが発明したかは不明である。
日本では、俵谷高七が1888年に発明して内国勧業博覧会に出品された煙草自動販売機が最初であるとされている。特許の申請という観点では俵谷に先んじること9ヶ月前、小野秀三が後に特許第848号が与えられる「自動販売器」を申請しているが、俵谷が1904年に発明した「自働郵便切手葉書売下機」が現存する日本最古の自動販売機とされ逓信総合博物館に所蔵されていることもあり、また前述の煙草自動販売機が博覧会に出品されたことから日本最初の自動販売機発明者としては俵谷の名前が広く知られている。
現在のようにボタンの選択によって複数の商品が取り出せる自動販売機は1925年にアメリカで開発されている。日本社会に広く普及したのは1960年代以後と言われている。特に1967年に国鉄が合理化の一環として都市部における近距離乗車券発行用自動券売機の全面的な導入に踏み切ったことが大きな影響を与えたといわれている。
[編集] 概要
[編集] 物品自動販売機
一般には、冷やしたり暖めたりした缶・ビン・ペットボトル・紙パッケージ・カップ入り飲料、カップめん・菓子パン・菓子類・タバコ・雑誌・新聞など保存の簡単なものが多い。また特殊なところでは、その都度豆から挽いて抽出するコーヒーや冷凍食品(焼きおにぎり、焼きそばなど)を内蔵電子レンジなどで温めて提供するものもある。カップ麺の場合は、湯で戻して提供され、ついでに箸がついてくる。
交通機関の乗車券や特急券、遊園地やテーマパークなどの入場券、各種プリペイドカードなど、券の形をした商品を販売するものは特に自動券売機ともいう。 近年では、ガソリンスタンド等においても、ガソリン等の油脂類を自動販売にて販売している。
多くの国でも自動販売機は見られるが、基礎となるメカトロニクス(電気・電子技術と機械技術の融合)技術や治安の関係からか日本のような多機能販売機はほとんど無いうえ、また台数自体も少なく、あってもチューインガムやチョコレートなどの嗜好品や新聞など、単純な機構のものに限られる。それらも信頼性に乏しくお金を入れても商品が出てこないなど日常茶飯事であり、日本人の商社員などは揶揄して「お賽銭箱」と呼ぶ程である。
[編集] 自動サービス機
ジュークボックス、アーケードゲーム機、公衆電話など物ではなくサービスを提供する機械は自動販売機とは呼ばないが、日本自動販売機工業会では「自動サービス機」と呼んでいる[1]。総務省の日本標準商品分類では「その他の機器 > 自動販売機及び自動サービス機」として分類されている[2]。証明写真やプリクラのようにサービスとも商品とも取れるものもあり、線引きは曖昧である。
最近ではコンビニエンスストアなどに設置されている端末(マルチメディアステーション)から楽曲や画像データをMDやメモリーカードなどにダウンロードできるようになるなど、この傾向は更に強くなっている。
※日本標準商品分類による自動サービス機の分類(数字は商品コード)
5821 自動両替機
5822 玉・メダル貸機
5823 自動貸出機
5824 自動改札機
5825 自動入場機
5826 自動写真撮影機 - 証明写真、写真シール(プリント倶楽部など)
5827 コインロッカー
5828 コインランドリー
5829 その他の自動サービス機 (コインシャワー、コイン洗車機など)
[編集] 形態と品目
基本的には1990年6月改訂の日本標準商品分類(一部追記)に沿って記載する。
これによると、物品・非物品(サービス情報)に大別される。物品の場合、食品系(食品・飲料)と非食品系に分かれる。
しかしながら、コンビニエンスストアや24時間営業のスーパーマーケットの普及などにより、一昔前と比較すると販売する品目が減少してきている。 (現在、自販機のほとんどが券売機や需要の多い飲み物・アイス、対面では買い難いコンドームなどのものである)
[編集] 物品等自動販売機
牛乳の自動販売機
紙コップタイプの
よしもと自販機劇場
カップラーメンの自動販売機
食品系
飲料
缶・ビン・紙パック容器入り飲料(ソフトドリンク、酒類、牛乳類)
その都度入れる紙カップ入りコーヒーや紅茶
水(スーパーマーケット等に設置されている。専用のボトルやタンク等を購入し、それをセットして商品を充填する)
食品
缶入り食品
おでん缶
らーめん缶(他にうどん缶、パスタ缶など)
ナッツ(おつまみ類)
菓子(ガム・チョコレート・スナック菓子)
鶏卵
米
うどん(かつては生麺による素うどんを出すものがあったが、調理時間が長かった)
かき氷(現在は消滅)
納豆
アイスクリーム類
綿菓子
カップラーメン・カップ麺(ラーメン・うどん、給湯器つき)
軽食・スナック食品(冷凍食品を電子レンジで調理する)
ハンバーガー
ホットドッグ
おにぎり(焼きおにぎりなど)
寿司
たこ焼き
焼きソバ
唐揚
ハンバーガー
フライドポテト
乾電池の自動販売機
新聞の自販機「ニュースくん」(毎日新聞放出販売所にて)
お守りの自販機(善光寺)
ガチャガチャ(コスモス)
セルフ式ガソリンスタンドの燃油販売機
無人の自動レンタルビデオ店非飲食物系
タバコ(梱包を工夫して、同じ機械でライターを扱うものも見られる)
新聞、雑誌、文庫本(新聞は主に「ニュースくん」という愛称が付いている。また雑誌では有害図書を扱うものもある)
切手、はがき(集配局の郵便局の一部で置かれていたが、2007年7月で全面廃止)
乾電池
DVD、CDソフト
販売だけでなく、無人レンタルビデオなど貸し出し・返却を扱うものもある。
風船
透明ロッカー型(日用小物から下着、靴下、お菓子など常温保存可能な食品も含む)
カプセルトイ(ガシャポン、ガチャ、ガチャガチャ) - カプセルに入ったフィギュア
先払いセルフ式ガソリンスタンド(先に現金を投入して品種(レギュラー・ハイオク・軽油)を選択し、投入金額分まで給油できる。残余分は釣銭として払いだされる)
カード類 - テレフォンカード・ハイウェイカードなどのプリペイドカード類や乗車券などの切符類。トレーディングカード類(カードダス)。
コンドーム
花(生花)(温度・湿度管理がされている)
キーホルダー
下着
旅行保険(空港などで見られる。保険料を投入すると保険証書の用紙が払い出され、住所や氏名などを記入して、一番下の控え以外の部分を投入口に入れる)
トイレットペーパー(駅のトイレなどに設置される。少ない投資で(自動販売機の購入のみで)、簡易的な有料トイレを作ることができる)
おみくじ
自動券売機
交通機関の乗車券類
食券
施設などへの入場券
公営競技の投票券
コスチューム
釣り餌(釣具店の軒先によく設置されている。生きた餌のパックを販売している)
温泉(温泉スタンドなど)
タオル(温泉施設、無料の足湯がある所に設置されている)
洗車用洗剤
化粧品,櫛、ひげ剃り用品(主に宿泊施設、銭湯などに設置されている、整髪料などは小分けされている)
[編集] サービス情報自動販売機
就職情報自動販売機
パソコンソフト自動販売機
かつて「ソフトベンダーTAKERU」(旧名「武尊」)があった。
写真撮影・印刷自動販売機
証明写真自動撮影機
プリクラ(プリント倶楽部)
デジカメプリント
その他のサービス情報自動販売機
携帯電話機への着メロなどのダウンロード
[編集] 珍しい自動販売機
中国地方、四国地方の一部の地域(有名なところでは今治市の菊間地区)では生うどんを使ったうどんの自動販売機も存在、その他、映画が見られるグリコの自動販売機が存在していた。かつては全国に存在していた。
農業地域においては野菜、鶏卵などの農産物の無人直売スタンドも存在する。かつては利用者の良心を信じて箱などの非機械的な方法で代金を受け取っていたが代金の不払いのみならず商品の盗難まで頻発するようになったため、自動販売機化されたものが増えている。
ウィークリーマンション・マンスリーマンション
大分県大分市にたまごの自動販売機が存在する。様々な種類がある。
[編集] 再利用
また最近では、コカ・コーラの飲料自販機の横に同社のロゴが描かれた鉄製の箱が設置されるケースが多くなってきている。これは古い自販機を改造した保冷庫で、飲料をあらかじめ保冷しながら保管しておくために設置されているのである。
[編集] 販売制限・設置制限
商品によっては自動販売機に制限が設けられている場合がある。日本において2004年現在で多いものは、タバコ、ビールなどアルコール飲料類、アダルトビデオやポルノ雑誌の自動販売機の販売時間や設置場所の制限である。タバコやアルコール飲料の販売機は国税庁の認可や免許が必要なほか、行政指導で23時から翌朝5時まで停止されており、アダルトビデオやポルノ雑誌は市町村や都道府県レベルの自治体による条例などで設置場所や販売時間に制限が課されていることが多い。
アルコール飲料の自動販売機の場合、深夜から翌朝の間の販売停止については罰則があるが、タバコの自動販売機の場合は自主規制であり、深夜から翌朝にかけて販売出来る状態にしていても罰則は無い(実際は施設内など人の目が常に届く場所に関しては24時間販売できている)。だが、タバコについては一種の身分証明書であるICカード「taspo」認証でのみの販売を目指しており、2008年3月の鹿児島県・宮崎県を皮切りに「taspo」認証による販売が開始され、2008年7月までに順次「taspo」認証による販売に切り替える予定である(言い換えれば「taspo」がないとタバコを購入できなくなる)。なお、販売停止されている場合は押しボタンがすべて「売切」の点灯状態になっている。
[編集] 決済方法
携帯電話の認証口
Suica対応自販機飲料やタバコなど価格が数百円以下の場合、硬貨と1,000円紙幣併用のものがほとんどであり、一般的には1円硬貨と5円硬貨は使用不可能である。交通機関の乗車券・定期券・予約券・プリペイドカード(例・ハイウェイカード)、外食産業における食券、公営競技場の投票券など、1,000円前後およびそれ以上となる高額なものになると、硬貨や1,000円紙幣に加え2,000円、5,000円および10,000円紙幣も利用可能となっていることが多い。また、先払いセルフ式ガソリンスタンドではクレジットカードやキャッシュカードで決済出来るものもある。
リフォームマンション
2000年代に入り、紙幣・硬貨・クレジットカード・キャッシュカードなどの偽造が増えたため、識別器の能力の強化が図られている。しかし偽造する側も新たな方法を編み出すため、犯罪の防止につながる成果があがっていない。
なお、現金やクレジットカード以外の支払方法として携帯電話やFelicaを利用した決済方法CmodeやEdy又はSuicaなどの電子マネー、iDやPiTaPaなどのポストペイで支払う販売機も登場した。特に、酒や煙草の販売機では年齢認証付きの電子マネー専用とすることが未成年への販売を防止できるという。又、機械を破壊しての現金盗難を防げることから今後は増えるものと見られる。
[編集] 問題点
飲料の自動販売機は消費電力が大きく(ひとつの家庭に匹敵するほどの電力を消費する)省エネルギーの観点からは問題があるため、エネルギー効率の改良も続けられている。また、光害の問題や景観に対する悪影響も指摘されている。特定商品の自動販売機では製品の宣伝を兼ねる関係から色彩や形態に意匠が凝らされる傾向もあるが、この意匠が景観を損なうことがある。このため景観に配慮した自動販売機も見られ、設置の際に目立たないように工夫される場合もある。
私有地から公共地である道路にはみ出して設置してある場合があり、通行の障害となることがある。これに対しては、設置者側の対応や機器メーカー側も薄型の販売機を開発し導入している。
飲料の自動販売機では周囲に空缶などが散乱してしまう問題がある。空缶回収ボックスの設置と回収管理と共に利用者のモラル向上が大変重要となる。
酒・たばこの自動販売機による販売はたばこは日本・ドイツ以外のほぼ全ての国で規制されており、酒において
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は世界で日本だけが行っている。また未成年者に対する購買規制が完全には行われていない。タバコ自販機においては、タバコ自販機の設置を禁止する旨の提言がなされた[3]。これらの問題点に対して、日本はWHOなどから名指しで批判されていることから、たばこ自販機は2008年より社団法人日本たばこ協会(TIOJ)らはtaspoによる成人識別自動販売機の導入を開始した。しかし、カードの貸し借りないし無断使用の可能性もあり、実験的に導入した種子島では成功していないことなどから、同カードによる効果に疑問が呈されている状況にある。
取り扱い商品に品質上の問題や自動販売機自体のトラブル(代金を入れたのに品物が払い出されず、返金もできないなど)が生じた場合、通常利用者は自動販売機設置店の店員に直接声を掛けたり機械本体に記載された連絡先に電話などで対応を求める。
週刊誌などの販売開始が限られている物もトラブルになることがある。少年漫画誌など短期間に販売する物など、周囲のコンビニ、本屋などとは販売開始時間が異なる。このため発売当日の明け方には既に発売を開始している場合もあり、近隣の販売店との間でトラブルの原因ともなる。
[編集] 構造
広くとられたコインの投入口ものによって種類は多々あり、一概にこれだけが自動販売機とは呼べない。
コイン投入部は一般的な自動販売機は横型、鉄道などの券売機では縦型となっている。また、ユニバーサルデザインの観点から投入口を広く取って入れやすい形にしているものや同時に複数の硬貨を投入できるものもある。物販系の販売機が硬貨が横向き投入なのは、縦方式では硬貨判別システム上有利だが、デットスペースを構造的に生み出してしまう。これを回避し、商品の在庫を多くするためコイン投入は横向きになっている。
紙幣を投入するための投入口も存在し、そこから紙幣を投入するが、折れ曲がっていたり、しわになっていると反応せずに戻ってくることがある。この為、しばしば自動販売機の前で札を直しながら、何度も入れなおしている人を見かけることがある。
[編集] 商品が落下する構造の物
[編集] 缶・ペットボトル飲料自動販売機
本体部、商品棚の後ろ側には商品のストックが入っている。コインを入れてスイッチを押せば内部の電磁コイル等が通電し、商品を出す。また、下にベルトをつけ、一度落下させた商品を上に持ってくることで取り出しやすくした自動販売機も存在する。しかし、このベルト式は一度下に落ちた物体をまた上に運ぶという重力に逆らった方法から、開発当初から故障が後を絶たない。
又、以前は販売する商品にあわせ機械側の調整が必要なものだったが、昨今その調整を自動で行う無調整機構というものも開発されている。この方式であれば、仮に間違って商品を投入しても詰まることなく商品が払い出され、故障の低減に一役かっている。 また、小型ペットボトル容器が登場し、ペットボトル自体の素材から投入の際に詰まり易いという弊害もでてきている。しかしながら蓋をして持ち運べるという観点から、その需要は今も急速に伸び続けている。
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通常、屋外にある販売機では取り出し口は手前引きとなる。これは雨水などの浸入を防ぐ衛生上の配慮である。[編集] 瓶飲料自動販売機
缶飲料同様の自動販売機も存在する。仕組みは缶飲料の自動販売機とほぼ同じだが、ペットボトル同様詰まりやすいという欠点を持っていた。前者と異なるのは、瓶が横方向に滑るように落下するのではなく買い手の手前方向に落下する。